就活アドバイスが人気の理由
あのメガネを作ったのは、鯖江市にメガネ産業を百年前に誘致したルーツを引き継ぐ増永眼鏡(福井市)だが、鯖江はいま少しずつ、自らのデザインを世界に発信することに比重が移りつつある。
もちろん、今も世界のトップブランドのフレームはほとんど鯖江で作られている。
それは100年の歳月が磨き上げた技術力の賜物である。
しかしそのような。
EMだけではなく、自らの表現を中心とする産業へと脱しつつあるともいえるのだ。
しかもKMさんの説明にあるように、世界への発信の根拠地として、店全体で「地域性」が大事にされつつあるのだ。
大切なのはこの地域性である。
この地域性という概念は、今後のビジネスのキーコンセプトになりつつあるともいえる。
例えば、KMさんの説明にある「ジャポニスム」は「日本的」というよりも「西欧とは異なっている」という意味をより多く含んでいる。
それは文化的なことである。
文化とは別の言葉でいえば「他と異なっている」ということである。
言語、宗教、食べ物、習慣といった地域性、民族性は、異なることによって独自性を表現している。
KMさんのお店は「鯖江であり越前である」ことによって独自性をあらわしている。
ボストンクラブの従業員は、鯖江市の本社が20人、銀座と青山のお店が10人の合計30人(そのうち9人が男性)で平均年齢は32歳。
新卒と中途採用がそれぞれ半分。
起業してしばらくの間は中途採用がほとんどだったという。
繰り返していうが、これは全ての中小企業に共通することである。
新卒を育てる余裕があまりなく、また知名度が上がるまでは新卒がやってこないからだ。
もっともボストンクラブには、単なる新卒では得難い体験を抱えてやってきた人物がいる。
それがデザイナーのKS氏である。
ロサンゼルスのバーで不法就労ボストンクラブのチーフデザイナーであるKSさん(1971年生まれ)は「机のまえのデザインは全体の10%ですね。
あとの90%は動いているときに手に入るのです。
人と話したり、何かを見たり、何かを体験したりする全てのことがデザインにつながっています」と語る。
KSさんのキャリアを聞いていると、たしかにその体験が並ではないのである。
東京のお茶の水にあるデザインの専門学校で工業デザインを学び、出身地の鯖江に帰ってきたのは卒業から2年経った1994年のことだった。
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